女性の運動中のけがと生理

経口避妊薬を飲んでいる女性は、飲んでいない女性に比べて、下肢(脚と足)の筋肉と腱のけがをする確率が約8割も下がるという論文が発表されたそうだ。

女性アスリートは男性アスリートに比べてを起こす確率が2〜6倍高く、サッカーで脳震盪を起こす確率が2倍高く、疲労骨折を起こしやすというデータがあるらしい。

なぜ、男性アスリートに比べて特定の部位を損傷するのかについては、確定的な情報に到達できていないが、ホルモンとの関係がうたがわれている。また、ほとんどの研究が、女性は排卵前後にけがをしやすくなることを示している。その背景として疑われているのがエストロゲンの分泌である。

エストロゲンは筋肉や靱帯をゆるめるため、このことがけがに繋がっている可能性が考えられる。

そこで、経口避妊薬の使用との関係を調べたところ、使用していない女性の負傷率が2.55%だったのに比べて、使用している女性では0.55%だった。

これだけのことから断定することはできないが、エストロゲンが背後に影響している可能性は高まっている。もっと、正確に言うと、エストロゲンの濃度の変化が負傷の遠因になっていることが考えられる。要するにエストロゲンの濃度が変化することで筋肉や腱の柔軟性に微妙な変化が生まれていることを気づかずに、同じような運動をしてしまうことから腱が断裂したりすることが考えられる。

経口避妊薬の働きは「ホルモンの濃度が高まることで妊娠に近い状態であるような情報を脳内に送ることで排卵を抑制する」「子宮の入り口を狭くして精子が入りにくくする」「乱視が子宮に着床しにくくする」などの働きがある。

膝の前十字靱帯が断裂すると、自然経過中で100%の状態にまで修復することは極めて難しいため一般的には手術が必要になる。

ただし、経口避妊薬は35歳を過ぎるとの服用しないほうがいいとされる。40歳を超えると心筋梗塞などの心血管系の障害や病気が起こりやすくなるとされ、50歳以上では血栓症のリスクがさらに高まるとされている。