日本で"異次元の才能"を持つ若者が増えている
アスリートは、かつてなら自分のフォームはビデオに撮影して家に帰ってから研究をしたが、いまはスマホで撮影して競技の直後に自分のフォームを見ることができる。
ゴルフの松山や、パリオリンピックのスケボーなども、そのようにして進化させているようだ。
野球においては、投手の球速アップに多大なる貢献を果たしている。投球の計測では球速はもちろん、ボールの回転数や回転軸、変化量などの詳細なものまで、幅広いデータをリアルタイムで取得して提供できるので、即座に修正することができる。
漠然としていて感覚を頼りにしていたことが、的確な数値で表されるようになっている。
中学校の時、一番仲の良かった日野君がサッカー部の部長だったことから、いやいやサッカー部に入ることになった。その時、使う筋肉が違うからとか言って水泳をしてはダメだとか、しごきのようなことも練習に名を借りてやっていた。
かつてのスポーツでは、なによりも「根性」が必要で、「科学」なんて言葉はもとより意識に上ったことはなかった。
考えてみると、これって日本が明治以降やって来た「戦争」と同じ構図だ!
DXが浸透しない日本企業も、根底は帝国陸海軍に通じる「精神力」「努力」、はては「根性」のようなものを求めているのか、そうではないにしても科学的に効率を求め、無駄を排除し、経営層の速やかな決断につなげようという視点が大幅に不足している。
球を投げることで球速、回転数、変化量だけでなく、感覚で受け止めていたような「伸び」「重さ」のような性質に至るまで数値化して改善に供するデータをもとに工夫を積み重ねている。
企業経営もサイエンスの時代に突入している。「デジタル」といえば「生成AI」に飛びつくばかりでは、先が知れて言うような気がする。