白人はいつから白人になったのか

スウェーデンで発見された7000年前の人骨のDNAをもとに復元したら、肌の色は褐色で髪の毛は黒かった。ただし、目が青かった。

現在の白人の肌は明るい色だし、金髪や青や緑の目の色が多いのは、実は8000年ほど前から広がってきていたことが分かってきた。

人類の起源はアフリカであったことが分かっている。その人たちが5万年ほど前にユーラシアに進出しだした。

その人たちが4万年ほど前にユーラシア大陸に拡散していき、大きく分けると「西ユーラシア系統」「東ユーラシア系統」「古代北ユーラシア系統」に分岐していく。

西ユーラシア系統はネアンデルタール人と共に、イタリアで起きた大規模火山の噴火による寒冷化で絶滅したと考えられている。その後、再び新たな「西ユーラシア系統」がヨーロッパに税期に広がっていく。

この時点の西ユーラシア系統は、褐色の肌と黒い髪と褐色の目だったと推定されている。

「古代北ユーラシア系統」の1万6千年前ごろの遺体から金髪の固体が発見されている。この古代北ユーラシア系統が西へ移動し金髪をヨーロッパに持ち込んだ。

1万4千年前ごろの北イタリアの遺跡では西ユーラシア系統の遺体では濃い褐色で黒い髪、青い目の組合せであった。この系統が1万年前ごろにヨーロッパ全域に拡大していく。

8500年前ごろになると、中央アジアあたりの西ユーラシア系統がヨーロッパへと進出していく。この人たちの肌は明るく、髪は黒で目は褐色だった。

1万1千年前ころになると、スカンジナビア半島には東ヨーロッパの狩猟採集民が進出していく。彼等は古代北ユーラシア系統の金髪を受け継いでいた。そこで、褐色の肌、黒い髪、青い目の西ヨーロッパ系統の人たちと混合していく。

8000年ほど前になると、彼らがスカンジナビア狩猟採集民が形成される。スウェーデンの遺跡からは明るい肌、金髪、青い目の組合せを持つ遺体が見つかっている。

5000年前ころになると、ステップ地帯から東ユーラシア系統の人々がヨーロッパ全域に拡散していく。ステップ地帯の人種は高身長、明るい肌で茶色い髪が主流であったけれど、金髪の固体も見つかっている。

ヨーロッパでは、このステップ地帯遊牧民と西ヨーロッパ狩猟採集民に初期の農耕民などが混交していく。それが「ゲルマン人」になる。ゲルマン人はヨーロッパ全域に広がていたケルト人を北から圧迫しながら広がっていく。

4世紀には騎馬民族のフン族がヨーロッパへ侵攻する。そのことでゲルマン人が南ヨーロッパ全域へと広がっていくことで、現在のヨーロッパ人を形成していく。

ヨーロッパでは複雑な系統の民族の混交があったが、バルト海地方で明るい肌、金髪、青い目が広がった理由は、今のところよくわかっていないとのこと。