月額3万円の最強ChatGPT

オーディオファンというか、オーディオマニアというか、ともかくオーディオが大好きな人間がいる。その人たちは、かなり高価な装置を使っているのが一般的である。

月額3万円(200ドル)で、ChatGPT o1 pro modeに「オーディオ機器の電源ケーブルを替えると音質が変わりますか」と聞いたら、「科学的な証明は難しい」「一般的には主観的な要素が強い」「投資に対する期待がそうした印象を生み出す」とにべもなかったようだ。

新しいケーブルを導入して「うん、ちょっとレンジが広がった気がする」と頬を緩める。その瞬間が、人生にどれほど彩りを与えてくれることか

とどのつまり、この辺りがマニアの喜びでもあるようだ。オシロスコープで確かめれば、簡単にわかるような気もするが、そうでもないのははなはだ「主観」の世界、「耽溺」の世界故のことのようだ。

同じ質問を月額無料のgemiにに聞いてみたら、

  • ノイズの影響: 電源ケーブルは、単に電気を流すだけでなく、ノイズも伝えます。高品質なケーブルは、ノイズを低減し、よりクリアな信号を機器に供給することができます。
  • インピーダンスの影響: ケーブルのインピーダンスが、機器のインピーダンスとマッチングすることで、信号の反射を抑え、より自然な音になることがあります。
  • 材料の影響: 導体の素材や構造、絶縁体の種類など、ケーブルの材料によって音質に違いが出ます。
  • 心理的な効果: 高価なケーブルに交換することで、期待感から音が良いように感じてしまうという心理的な効果も考えられます。

とのことであり、

  • 必ずしも効果があるとは限らない: ケーブルの質だけでなく、システム全体のバランスも重要です。
  • 高ければ良いわけではない: 高価なケーブルが必ずしも良い音になるとは限りません。
  • 試聴が大切: 実際に試聴して、自分の耳で確認することが一番です。

さらに「必ずしも劇的な変化が得られるわけではありません」との補足もあった。

これは根拠があっての話ではないけれど、昔の30万円くらいの機器は、おそらく現在なら3万円くらいの機器の性能と互角のように思う。所詮、生の音には適うはずもなく、となると、生の音とは関係のない音を愛でることに多大な投資をすることに喜びを見出しているといえそうだ。

オーディオの楽しみ方は、頑張って改良を積み重ねてもらうとして、月額3万円の「ChatGPT o1 pro mode」と無料の「gemini」で凄いほどの違いがありそうではなかった気がする。年が明けると「ChatGPT o3」が登場するらしいが、回答のいい加減さがかなり回避されるようになるらしい。

「わかる」「理解する」までAIが到達すれば、あとは「抽象化」や「感情」をどこまで獲得してくるかになっていくだろう。かつて、国立情報学研究所で「東ロボ」というプロジェクトで東大の入試に合格させるというチャレンジがあったが、それがどのような成果を出したのかは不明。

成果があったのであれば、「ChatGPT」などの登場の前に、世界のAIを席巻していたはずだ。「情報大航海」なんて企画もあったが、関わった業者と天下りが一儲けしただけで、さしたる成果は生み出せていないのが、日本の知識人の限界のようだ。

日本におけるイノベーションとは、「新たな官僚の天下り先を作る事」に国家予算を使うことに集約されている。よって、減税などは彼らにとってみれば「クーデター」に等しい行いになる。