帯状疱疹ワクチンの効果

帯状疱疹ワクチンと認知症
「帯状疱疹ワクチンを接種した成人は、接種していない成人に比べ、認知症の発症率が20%低かった」とのことであるが軽々にうなずけない。
米国では毎年約100万人が帯状疱疹と診断されるしい。
かたや、「認知症」に関しては、55歳以上の米国人の42%が生涯のある時点で発症すると推定されている。
そこで使用したデータは、英国のウェールズ。英国のウェールズでは1933年9月2日以降に生まれた人は79歳になってから80歳になるまでの1年間、帯状疱疹のワクチン接種を受ける資格があった。9月1日以前だとワクチン接種が受けられなかった。
その結果として、1933年9月2日以降に生まれ、帯状疱疹のワクチン接種を受けた人は、認知症の発症率が20%低かったというデータを入手できたということ。
因果関係は?
新しいワクチンへの切り替わりが急速に進んだ。生ワクチンと不活化ワクチン。不活化ワクチンの「シングリックス」という新しいワクチンを接種した人は、古いワクチンを接種した人と比べて、認知症と診断されずに生きている期間が17%長かった。
「帯状疱疹ワクチンが認知症リスクの低下につながる理由を解き明かそうとしてる」というあたりが、だいたい、海外から来るレポートの顛末になることが多い。日経サイエンスなどでよく使われる手口だ。
このレポートも、結局は活化ワクチンの「シングリックス」を接種すれば「認知症」とされずに、かつ、17%長く生きられたという話。
「17%」というけれど、「80歳」で死ぬはずだった人が「93歳」まで生きられるということで、予定が85歳なら100歳まで生きられることになる。
嘘か本当かは不明であるが、どのみち予防にはなるのだからやる価値はありそうだ。2回打たなければならない。1回が21,000円だから42,000円で寿命15年を買える。
まとめ
途中までは「認知症の発症が20%低い」が「認知症にならず生きている期間が17%長い」になっており、いまいちな話ではあるが、海外からくる「科学的論文」には珍しくはない。
「シングリックスを接種した人は、認知症を発症しない期間が平均164日延びた」という話もあるけれど、クリニックレベルのブログ発信が中心。
CNNの記事として、「水ぼうそうにかかったことがあり、同じヘルペスウイルス科の水痘帯状疱疹ウイルスを原因とする帯状疱疹」と書かれており、ヘルペスウイルスを使った脳腫瘍の治療薬の話もあったので、こちらはいささか信頼性が高い話になっている。