刺激の強い動画を見すぎると

性的コンテンツの影響

頻繁にみると、報酬系に関与する領域の灰白質が減少しているとのこと。この部位は、やる気意思決定に関係している領域であるため、その能力が低下することとなる。

同時に、当初得られていた「報酬」、つまり「快楽」が弱まっているため、より強い快楽を得るためには、さらに刺激の強いコンテンツが必要になってしまう。

そこで、だんだん邪悪なコンテンツを求めるようになっていく。

ポルノの頻繁な視聴者は、恋人との性的関係に対する満足度が低くなりやすくなり、恋人との性行為の回数が減ったり、興奮しづらくなったりもしている。

若年時のポルノ

若年層はまだが発達途中であり、神経可塑性と呼ばれる急速な神経接続の変化が思春期に起きている。この段階で過激な性コンテンツに触れることは、性行動や価値観に長期的な悪影響を与えるおそれがある。

2021年の調査によると、14〜17歳の約11,000人のうち、ポルノに接触していた若者は、接触していない若者に比べて、攻撃的・ルール違反的な行動をとる傾向が高いという結果が出ている。

まとめ

ポルノに限らず、「刺激」には「慣性力」があり、持続することだけではなく、増幅もある。

たとえば、コレクターが「モノ」を欲しがる。「それが欲しい」「それが手に入る」。そうなると、そこで欲望がとどまらずに次を求めてしまう。多くの場合は、欲がつのっているだけに過ぎない。

薬物のようなものは生理的な「依存」性があるけれど、基本は同じようなもので、「それが欲しいのに理由はない」ことになる。

問題は、「ポルノに接触していた若者は、接触していない若者に比べて、攻撃的・ルール違反的な行動をとる傾向が高い」ことで、ポルノに限らず不要な「刺激」に接する環境に置かれることは、脱法傾向が強まらざるを得ない。

この歯止めは「家族関係」や「友人関係」が大きな影響を持つことが考えられる。

自分の精神を「健全」に保ちたいとする精神性には、「宗教」が必要なのか「哲学」が必要なのかは分からない。

おおよそ、想像がつくことは、年齢不相応に「不要なこと」は、それが必要になるまで知らないほうが脳にとっては健全であるということのようである。

知らないでいいことは一生知らないほうがい。タバコは最初の1本を吸わなければ、一生吸わないで済む。薬物も同様。