機械学習と深層学習

似て非なるもの

Learn or Die」という本があり、「死ぬ気で学べ」と訳されている。普通に訳すなら「学ぶか死ぬか」になるようにも思う。

これは、「プリファードネットワークス」という会社の「社是」のようで、機械学習から深層学習へ切り替えるときに葛藤があったように書かれている。

つまり、機械学習は彼らにとって未知のものではなかったが、その時点で深層学習は未知のものであったということ。

「東ロボ」という国を挙げたプロジェクトがあって、ようは、人工知能で東大に合格するレベルにするという企画だったが、失敗に終わっている。その言い訳には、それなりの理由もあるのだろうけれど「深層学習」に到達できなかったことにある。

「プリファードネットワークス」は「深層学習」に舵を切る英断と能力があった。生成AIは、深層学習によって実現されている。

知能とは何か

「知能とは何か」という本を読みつつある。図書館から借りてくる本で、いま、他の人が読んでいるので5章で止まっているけれど、そろそろ手元に戻ってくるはずである。

著者は「非線形非平衡多自由度系」の専門家だそうで、漢字を見ただけでも難しそうな話になりそうで、理論は解釈不能なのだと思うけれど、生成AIにおいては突破口になったのが「深層学習」だそうだ。

「プリファードネットワークス」という未来

この本は買ったのでいつでも読めると思っていて、あと50ページの所まで来た。ここにかかれているのはイノベーティブな組織の近未来が書かれている。

まず、「社員が300人なったから、そろそろ中間で管理する人材が必要なるだろう」という組織構成。これは、GAFAがまさに改革しだしている管理者の削減にもつながる。

また、ジョブ型雇用においても、現在解決できない知識や経験であっても、それができる人材を招き入れることで、そのことだけではなく関連する問題が一気に解決するようなこともありえることで、そうしたイノベーティブな環境を構築するうえで「人材の流動化」や「ジョブ型雇用」は不可欠である。

国が乗り出してロートルの教授やら助教授が「東ロボ」などを研究したところで解決できるはずはないのは当初から明らかなことであった。

Learn or Die

「学ぶ」ということは、単なる学習などではなく「摂取」し「開花」させることである。それができなければ「辞めてくれ」ということと表裏をなしている。

それくらいでなければイノベーションは起きない。

「非線形非平衡多自由度系」の専門家という学者には、やはり手が届かない領域で変化の速度が上がっているということなのだろう。

定年まで学び続ける姿勢には「Die(死ぬ気で頑張る)」は、希薄なのかもしれない。というのは、途中から学問する目的が「教授」というポストを狙うことになるのかもしれない。ここが終身雇用であるならば、学問も進化が止まることとなり「表層学習」のまま放置されることになりそうだ。