「機密情報流出事件」の示唆すること

アメリカで21歳の空軍州兵が機密文書を漏洩した。このことで、情報提供者がそれぞれの国の情報機関に消される(殺害)可能性がある。同時に、アメリカへの情報提供のルートがいくつか断たれることとなる。

テレビや映画では、FBIとかCIAというと、頭脳形跡で武闘の訓練を受けていて、捕まって拷問されても耐えられるような、すごい組織と人材たちで構成されているものとばかり思っていたけれど、なんてことはない。21歳で、思想的にも反政府的な人材がトップシークレットにタッチできて、しかも、300以上も漏洩していたことに、気づくこともできなかった。

過去にスノーデンやアサンジがいたにもかかわらずに。

秘密に限らず個人情報などの漏洩のほとんどは内部の犯行、あるいはうっかりミスである。中には「金目的」「スパイ」「他国への忠誠」「思想信条」などもありえるのだから、ガードが不可欠である。

ハッキング対策には、おそらくお金を相当かけているのだとは思うけれど、漏洩で一番多いのは「内部」の人間による。

驚くのはセキュリティ・クリアランスだの、何だのと常日頃から言ってるくせに、21歳の大した権限もない青年が、300を超える秘密文書にアクセスしても、システムが何にも警戒をしていない脆弱性があったことだ。

文書にされれば、漏洩される懸念はあるわけで、管理が必要になる。管理するためには権限が必要で、その権限は階級的権限などはほとんど無意味(特に日本においては。最たるものが国会議員)である。

そこで必要になるのが文書ファイル名と文書そのものの暗号化と、参照に対する承認制度という「外形的」安全策と、機密情報にタッチするための試験制度と、恐ろしいぐらいの罰則(私有財産没収と禁固20年くらい)が必要になる。

セキュリティ・クリアランス」というのが試験制度のようだけれど、言葉の意味がよくわからない。刑法には「外患誘致罪」というのがあって、これも言葉の意味が分からないけれど、この罪で有罪になると「死刑」しかない。だから適用する気もない。

クリアランスを辞書でひくと「1.除去、一掃、整理 2.(車両とトンネルの壁などの)隙間、ゆとり 3.機密情報の取り扱い許可、人物証明 4.蔵払い、残品見切り売り 5.空き地、開拓地 6.(金融)精算、決済、手形交換 7.(機械)隙間 8.通関手続き、出入港手続き、許可証 9.腎の浄化値 10.純益 11.飛行機の離着陸の許可」とあるので「3」であることは自明であるが、「セキュリティ・クリアランス」のまま日本語化しようというのも知恵が無さすぎる。

「セキュリティ・クリアランス」の制定に反対しているのは親中派の議員といううわさがあるが、議員自体だって試験制度が適用されなくてはならないし、公文書管理のような罰則規定がないゆえに改ざんし放題のざる法では、ほぼ無意味なものになる。

スパイ防止法」というのを制定しようとする動きもある。「外交・防衛上の国家機密事項に対する公務員の守秘義務を定め、これを第三者に漏洩する行為の防止を目的とする」とのこと。ただし、対象が公務員だけらしい。国会議員に適用させても私設秘書は公務員ではないから罪を問えない。

「与野党を問わず多くの議員が、中国から便宜供与を受け、中国の意のままに発言し行動しているケースが多い」なんて意見もあるようだが、真偽は分からない。統一教会も国会・地方の議員を侵食していたけれど、中国も狙いは同じ。金に弱いところを狙う。