ジョブ型雇用はどこに行ったのか
アメリカでは「Job Description」で人材を応募していることは事実です。管理職や経営層も企業の規模に応じて人材を適宜、入れ替えていきます。
日本の大臣は、当選回数と派閥と、最近分かったことですがパーティー券の販売枚数によって「適材適所」としてポストが選ばれるようですが、アメリカでは「能力」は不可欠な要素です。
「ジョブ型雇用」で、例えばグーグルにいたとすれば、転職してもサラリーを上げることができます。
要するに有能な人間を数少なく雇用して、効率よく働いてもらい業態や企業規模が変われば、それに適した人材を雇用するという循環によって「流動性」が生まれてくると言えます。
正規雇用から非正規雇用に切り替えられて流動化していくことと根本的に異なっています。
そのメリットは、人件費を抑えながらも、個々の人材の報酬をあげていくことができる点に尽きます。要するに、両者にとってメリットがあるから定着しているわけです。
こんな話もあります。イギリスでの話ですが、ある会社の資金調達の方法をアドバイスしてくれていた金融系のコンサルタントが、家に帰ったら会社から電話で「明日から来ないでいい。私物は警備室まで取りに行ってください。社内には入らないでください。保証は1年分の給料を払います」という具合で、突然切られます。
こうしたことも「ジョブ型雇用」には、付き物となります。
つまりは、「ジョブ型雇用」を定着させるためには、スタッフとラインを明確に分離すること。スタッフの専門性を明確にドキュメントにすること。これが「Job Description」になると同時に契約書にもなります。よって、社労士や弁護士を交えて作成する必要があります。
そこには達成目標が明記されており、達成した場合のサラリーも明確にされています。プロ野球の選手と同じようなものです。
「ジョブ型雇用」の最大の障壁は経営層になります。年功で経営層に上り詰めた人たちには、「ジョブ型雇用」を定着させ、軌道に乗せ、効率を最大化するだけの能力が欠如しているケースがほとんどと思います。
次に、職場に「職務マニュアル」が整備されていないようでは、人材の流動は受け入れられない。
「Job Description」と「職務マニュアル」はペアで力を発揮するものです。
壊さなければならない「シキタリ」は「年功序列」&「終身雇用」になります。「ジョブ型雇用」には多大なメリットがあると思いますが、かといって日本型組織を組み替えるのは大変なことだと思います。よって、期待するべきなのはスタートアップ企業になるでしょう。
スタートアップ企業が業績を上げる都度に「ジョブ型雇用」で、雇用する人材のサラリーを上げていくことから、ようやく、人材は流動しだしていくと思います。