久々のギザ十「昭和30年」物・ゲット!

昭和30年というと1955年です。

現行の1円硬貨が発行された。この歳の7月にトニー谷の長男が身代金目的で誘拐された。悲しみに暮れる中年のオヤジの姿を報道陣の前で見せ号泣した。犯人は逮捕され、息子は無事に帰ってきたが、世間的には悪評が高かったことも災いして「話題作りだ」とか「息子が誘拐された原因は世間から嫌われていたからだ」のような評判もあった。

いま、話題のダウンタウン松本人志は、「トニーの人気が低下したのは“世間の同情の涙を誘い過ぎた事”が原因」とし、お笑いタレントに涙は禁物と評している。

トニー谷は、幼少時に実父をなくし継父に虐待され、後、実母を亡くし継母にも虐待されたとのこと。そののち召集令状により近衛歩兵連隊に入隊。1945年の東京大空襲で妻は行方不明。捕虜収容所から1945年12月に復員。その後、司会などで人気が絶頂になる。

赤塚不二夫の「おそ松くん」に登場するイヤミはトニー谷をモデルにしているとか。昭和30年代の雰囲気として「傲慢で孤立した感じで、なんだか異様だった」そうです。

いま、吉村昭が書いた「海も暮れきる」を読んでいます。尾崎放哉も、傲慢で孤立していて、なにか共通するものがるように感じます。

トニー谷の「芸人は職業じゃない。生き方です」という言葉は、尾崎放哉にすれば「俳句は職業じゃない。生き方です」にも通じると思うけれど、自己の才能を持って「生き方」とする人の周りにいる人は、よき理解者でない限り愉快よりも不快なことの方が多そうなことも尾崎放哉に通じるものがある。

トニー谷が肝臓がんで死んだのが昭和62年7月16日で、翌、17日に石原裕次郎が亡くなったことで報道は小さかった。