「オープン」であることの価値
メタが7月18日に大規模言語モデル「Llama 2(ラマ)」を無償公開した。続々と「Llama 2(ラマ)」を使って作られた製品がさまざまな企業からリリースされるだろう。
軽快かつ透明性があり、カスタマイズ可能なモデルを無料で使えれば、開発企業にとって大規模言語モデルを使ったAIサービスを提供することが可能になる。
AIモデルの内部の仕組みに関して、秘密主義を凌ぐ透明主義の利点を実証できるかもしれない。先行企業とって、AIエンジンは秘密のベールに隠されており、ブラックボックス化されていることが、いずれは疑義を生むことになることは必至のことだ。
査読前の論文でテストした結果から考えられることが見えてきている。AIモデルの特定のバージョンで動作するように製品を構築し、最適化してきた企業は、「100%」の確率で突然の不具合や機能停止を経験する可能性があることだ。
AIをめぐるオープン対クローズドの議論は、誰が支配するかということに帰結する。オープンモデルでは、ユーザーがより強い権限とコントロールを持つ。クローズドモデルでは、ユーザーはモデル作成者の言いなりである。
MIT Technology Review
メタは大企業ゆえに、このような振る舞いが可能であるが、公開したエンジンをたくさんのユーザーが使用することで更に洗練されていくことは想像に難くない。
webの原点は、情報の共有だったはずである。にも関わらず公開しておきながら著作権を主張するような陳腐なサイトも少なからずある。そもそもを言えば、著作権という権利についても疑義がある。優れて優秀な人が考えついたことを人類の叡智として公開し、共有すれば人類として更に前進できるのに、持って生まれついた僅かな優秀さを権利として金銭にしようとするさもしさに比べるとメタの太っ腹は見上げたものだ。
特許が20年なのに対し、著作権が70年なのもアメリカの力が作用しており、中国好きなディズニーなどの権利を守るためであるという。