「帝国」とは何だったのか
「帝国」の意味として「皇帝または他の強力な統治者や政府によって支配される、通常は単一の王国より広大な範囲の地域や人々の集合体」という意味で使われている。
「帝国」という概念は、ヨーロッパでは共和制ローマの命令権・統治権が及ぶ地域を指す概念に由来している。ドイツでは「王」が統治する「王国」であって、英語の「エンパイヤ」とは意味に違いがあるとwikiに書かれている。
「帝国」という漢字は和製だそうで、中国では皇帝が治めるのは国ではなく天下だそうで、今も習近平が虎視眈々と狙っている。
スペインが帝国だったのは、イベリア半島からイスラム勢力を駆逐した1492年からからと言われているようで、南北アメリカの金銀鉱山を先住民を奴隷にして採掘したことでスペイン帝国は繁栄したものの1898(明治31)年にアメリカと戦争になり、敗北することでアメリカはカリブ海、太平洋のスペイン領を獲得した。
ということはアメリカも帝国化したわけ。特にフィリピンの領有において「植民地主義をすすめるべき」とする意見と「共和制の価値を重視して各国の独立を支持するべき」とする意見に分かれ「帝国主義論争」が発生し、論争の結果として帝国主義の側が勝利しフィリピンの併合を進めた。
マーク・トゥエインやカーネギーは植民地主義に反対をしたし、レーニンを筆頭に社会主義、共産主義の立場として「アメリカ帝国主義」とのレッテルを貼って攻撃をした。
そういえば、ハワイも、そもそもは独立した国であり、東郷平八郎はハワイをとりたかったし、ハワイ王国にも日本の皇室から養子を入れて王位につかせたいという要望もあったようだが、日本政府は受け入れなかった。このことを東郷は非常に残念に思ったというようなことを読んだ記憶がある。
イギリス帝国は特に大英帝国といわれ、世界に広がることで英語圏がひろがり世界の共通語となっている。第一次世界大戦が終わるとアメリカの台頭、第二次世界大戦が終わるとインド・パキスタンの独立などがあり、連邦制は取っているものの帝国としては終焉している。
その象徴としてあげられるのが、カミラ王妃の冠に付けてあった「コ・イ・ヌール」と呼ばれる巨大なダイヤモンド。これはインドから持ち出したようで、インドは返却を求めており、今回の戴冠式では、カミラ王妃の王冠から取り外されたとのこと。
wikiより借用
かつての帝国は略奪したお宝の返還を求められている。
権力者が登場すると、近隣に攻め入り、住民を奴隷化し継続的に搾取をしようとするのが「帝国」の実態で、搾取の結果としていかに繁栄しようが、時と共に持続は不可能であることは自明であり、王室だの皇室だのも、このダイヤが象徴するむなしさを併せ持っているように思う。
名古屋税関では東南アジアの女性が死ぬし、千葉東警察署では23歳の東南アジアの男性が死亡している。技能実習生として東南アジアから若者を招き入れて低賃金労働者として酷使するなども「帝国」時代の残渣なのかは不明。グローバリズムなどというものも資本家という統治者による、体のいい「帝国」主義でしかない。