はしかが世界で流行中

ワクチン未接種の状態でさらされれば10人中9人が発症するというくらいに、感染力が強いウイルスである。マスクや手洗いなどの対策をしても防げない。特にヨーロッパで著しく感染しているらしい。

日本では「麻しん」として感染症法に基づく五類感染症に指定して届出の対象としており、疹が常用漢字でないため、平仮名を用いている。

アメリカでは、1963年に麻疹ワクチンが導入されるまで毎年300〜400万人が感染、4万8000人が入院、400〜500人が死亡し、1000人が脳炎を発症していた。

麻疹にかかった子どもは、20人のうち1人が肺炎を発症する。肺炎は、子どもが麻疹で死亡する原因で最も多い。もうひとつの大きなリスクは脳炎(脳の腫れ)であり、これは麻疹に感染してから1週間以内に、推定1000人に1人の割合で起こる。

麻疹ウイルスに壊された記憶細胞は、主に麻疹ウイルスを認識する記憶細胞に置き換えられる。これにより、体はその後の麻疹の感染を防げるようになる一方、風邪やインフルエンザウイルスなど、その他の一般的な病原体を認識する能力は損なわれるが、数か月後には回復する。

麻疹ワクチンを2回接種すれば、感染から長期的に守られる。

感染を防ぐ効果は1回の接種で約93%、2回の接種で97%であり、これは生涯にわたって持続する。

麻疹ゼラチン粒子凝集法(PA法)により、血中の麻疹抗体価を測定することで、麻疹に対する免疫の有無を調査することで、はしかの免疫有無を調査することもできる。