ネアンデルタール人の新事実が解明進行中

多くの「ヒト属」の種はアフリカで誕生し、まずヨーロッパや中東へ、そしてさらに遠方へ移り住んだ。ネアンデルタール人が移動したのは20万年前。現生人類は6万年ほど前に移動した。ネアンデルタール人と現生人類は2万年ほど共存していたが、その後、ネアンデルタール人が絶滅し、現生人類は地球上に生き残った唯一のヒト属の種になった

【解説】最新の研究で解明進む、ネアンデルタール人の新事実──そして我々のこと

記事が長いので要点だけにまとめます。

なぜ、ネアンデルタール人が絶滅し、現生人類が残ったのかは解明されていない。35万年ほど生存していたのに今から4万年ほど前に突如として姿を消す。

脳の大きさは200万年ほど前から急激に拡大し60万年ほど前から現在と同等の大きさになったが、形が現生人類とは少し違うようだ。遺伝情報の違いは神経組織に集中しているとのこと。つまり、認知機能に違いがあるようだ。

初期のヒト属の数が数十万人を超えることはなく、技術は非常にゆっくりと時間をかけて進歩した。広がり方も他の哺乳類と変わらない速度であったが。7万年ほど前に現生人類が登場することで、状況が変わり始めた。

ネアンデルタール人は現生人類と1~2万年ほど共存していて、そののちに姿を消している。

現生人類が優位に立った理由は、大きな集団を形成したり、考えを効率的に伝え合う能力がネアンデルタール人を上回っていたことが大きな違いとなってきたことが推定される。

社会形成の違いが、技術革新の伝搬力の違いになったことから社会的に阻害されていったようなことはあっただろう。そのほかの要因として現生人類の「想像力」や「言語による文化の蓄積・伝達力」の違いも上げることができそうだ。

遺伝子解析だけでは究明できないことは少なくなく、我思うに、パンデミックや気候変動に対する文化的な適応力の違い(社会性による知識の蓄積や言語による集団知性など)が、決定的な差異となったことは大きな要因としてあげることができそうだ。