地球で最初の生命は、進化では誕生できない
ダーウィンによれば、生物は進化して今のようになったという。人間は遡れば類人猿になり、もっとさかのぼれば4つ足の動物で、さらにさかのぼればDNAを持ったアメーバのようなところに至る。
そこからさらにさかのぼれば、タンパク質や脂質のような物質になる。そこからさらにさかのぼれば、炭素とかアンモニアとかリンのような分子になり、さらにさかのぼれば水素のような原子になる。
そこから先に量子やはてはヒモまでさかのぼるのは、ちょっとやめて、脂質とタンパク質とDNAが同時に結合しなければ生命の起源にはならないとするなら、その確率は、限りなくゼロに近くなってしまう。思考では「ありえない」ことになるけれど、有り得たから生命が生まれた。いったん生命が生まれれば、確かにダーウィンが言うような進化もあったかもしれない。
高いところの葉っぱを食べるためにキリンになったのなら、そこまで高くなくてもいいとする「短首キリン」だっていてもいいのに見当たらない。ゴリラ、オラウータン、チンパンジー、人間と人間の仲間はいるけれど、その中間だって進化、あるいは突然変異した種がいてもいいはずだけれど見当たらない。たとえば人間を支配しようとするチンパンジーとか。
一方、生命の種は宇宙から来たという意見もある。隕石に、その痕跡があるというけれど、隕石の温度を考えると「ありえない」と言わざるを得ないし、第一、近くの星に生命らしい存在すら見つかっていない(痕跡があるとする説もあるけれど「生命体」は見つかっていない)。
一方、水素だって最初からあったわけではないから、その前はエネルギーだったとされている。生物の起源を遡るのと同じように宇宙だって140億年さかのぼれば物質は存在していなかったとされている。
エネルギーが量子のスープになって、それが爆発して水素になったらしい。それも、物質と反物質が消しあって、消しきれなかったものが宇宙の物質になったという。逆に反物質が超過していたらどうなっていたのかと思うけど、答えが出せないからそれ以上考えない。
ここに「神」を持ち出すと、荘子も言っているけれど、その神は誰が作ったのかとなって同じ繰り返しになってしまう。
そもそも、1つの細胞である卵子と精子が結合することから細胞分裂が始まる。細胞分裂は1つが2つに、2つが4つにと分裂しているが、タラコやイクラにはならずに、それがいつの間にか、それぞれ異なる役割を持つ機関になっていく。その設計図がDNAだというけれど、チンパンジーとの違いはほんの1、2パーセントでしかない。
遺伝子の違いであることは間違いがないけれど、遺伝子の発現のタイミングの違いのほうが大きいような感じがする。
結局、宇宙も生命も神も、遡ると説明不能な領域に到達してしまう。
ホイルという学者は「がらくた置き場の上を竜巻が通りすぎたあとに、ボーイング747が組み上がっているようなもの」で、チンパンジーにタイプを打たせたら「源氏物語」になるようなもので確率論からすれば限りなく「ゼロ」ということになる。
宇宙に星の数は「6×10の23乗」くらいあるとAIが答えたけれど、そこから「確率ゼロ」の奇跡がおきたのが地球だったとするなら、そもそもが「無」ということになる。