春眠不覚暁
春眠不覚暁
処処聞啼鳥
夜来風雨声
花落知多少
夜が明けるのに気が付かなかった。あっちこっちで鳥が鳴いている。夜に雨の音が聞こえていた。花も少しは落ちてしまっただろう。
という具合で、美しく、のどかな春ならではの五言絶句です。ChatGPTに「動物にとっての睡眠の必要性」を問いかけたら
睡眠は身体の回復に役立つ
睡眠は脳の回復に役立つ
睡眠はストレスを軽減する
睡眠は免疫システムを強化する
と回答してきました。そんなことは大筋分かっていることですが、回答としてはフェイクではないようです。
「善き人のためのソナタ」でも、拷問で睡眠をさせずに尋問をするシーンが冒頭にあります。睡眠をさせなければ、してもいないことであっても「自白」するのは、脳の中で睡眠不足によって何が起きているのでしょうか。
「睡眠」で調べるとノンレム睡眠だとか疲労回復だとか同じようなことがたくさん表示されます。しつこく調べたら、「動物はいつから眠るようになったのか」という記事にたどり着きました。
脳を獲得する以前の動物である「ヒドラ(刺胞動物のうちヒドロ虫綱花クラゲ目ヒドラ科に属する淡水産の無脊椎動物の総称)」に注目して調べた記事を見つけました。
「20分以上の静止時間がヒドラの睡眠に相当する可能性が浮上」してきたとのことです。そこでヒドラの睡眠用状態に干渉してみたり断眠させたりしてみると、ほとんど、動物の睡眠と類似していることが分かってきたとのことです。
物質としてはPRKG1(cGMP依存性プロテインキナーゼ)の関与が実証されています。高等脊椎動物における睡眠の役割は、脳機能に関与していることが大半になりますが、なぜ、脳のないヒドラにも睡眠があるのでしょうか。
結論
睡眠は脳機能を安定させるために獲得した現象ではなく、もともとは細胞分裂(成長や繁殖などの促進)を円滑にするために獲得した現象である可能性が示唆されたわけです。
ヒドラに睡眠が存在するということは、おそらく進化の過程で動物が脳という中枢神経システムを獲得する以前から睡眠は存在していて、睡眠は脳の有無にかかわらず、神経システム自体に宿るベーシックな現象だといえそうだということまでは、わかってきたようです。