消費税にまつわる政府のウソ

インボイスがはじまることで煩雑な事務手続きが増えている。しかし、一部には「益税」をやめさせることができるのだから結構なことだという論調の主張も少なからずありました。

その根拠となるものは、「外税」で表示させていることで、消費税があたかも「預り金」のような雰囲気をつくりあげているからです。つまりは政府による巧妙な「目くらまし」「詐術」でしかありません。

消費税は、売り上げから仕入れにかかった消費税額を控除して残りの税額を事業者が治める「外形標準課税」に近いものです。消費税は売価の一部であるということは財務省も認めており、裁判でもそのような判例が出ていることでも明らかなことです。

つまり、結果としてインボイスは免税事業者に対する税の徴収にしか過ぎない。そのために課税事業者にも多大な事務負担を課している愚策としか言いようがない。

政府は消費税そのものに対して「直間比率の是正」とも説明している。間接税が少ないと景気の変動の影響を受けやすくなるため、間接税でバランスを取らなければならないとしている。

しかし、これも「嘘」。消費税の性質は直接税であり「第二法人税」でしかない。

消費税は社会保障のための税であるという説明も「嘘」。消費税が社会保障の特定財源にはなっていないし、特別会計にもなっていない。

令和4年の歳入で、消費税は21兆5千億円徴収している。法人税が13兆円。所得税が20兆円。

歳出で最も大きいのが社会保障の36兆2千億円。消費税は社会保障の一部でしかない。消費税が社会保障を賄っているわけではない。消費税で社会保障を賄っているから減税できないというのであるなら、法人税も所得税も減税できないことになる。

消費税だけが減税できないという論理は破綻している。

コロナ禍において付加価値税・消費税で減税しなかったのは日本だけであった。

では、一切減税していないのかというと、2019年までの累計で消費税は397兆円徴収してきている。ところが、法人税、所得税、住民税は減税してきている。法人3税で、なんとその額は「298兆円」減税をしてきている。所得税、住民税では275兆円の減税をしてきている。

メディアはこのことを報道しない。報道できないでいる。

経団連は、国民から400兆円税を徴収しておき、法人税を300兆円も減税してもらっておきながら、さらに消費税を上げることで社会保障の安定化を図るべきだというような提言をしている。

そもそもプライマリーバランスなどということを財政運営の中に取り入れようとしているのは日本だけである。

イギリスの付加価値税は20%だけれど、食料品は0%。関西経済連合会は、プライマリ―バランスの正常化のためには消費税を18%にするべきだと提言している。

1995年から資本金10億円以上の大企業は設備投資を行っていないし、従業員の給料もあげてきていない。何に金を使ったかというと、内部留保と配当に金を使っている。配当金に6倍もお金を使っている。

300兆円も法人税を減税したのに、政策目的には使っていない。減税するなら、海外へ製造拠点を移した企業が国内回帰するなら減税するとか、本社を地方に移転するなら減税するとかの政策目的ではなく、単に選挙目的と政党支援のために減税をしてきただけである。

結論は、政権与党にダメージを与える必要があること。しかし、政権与党にダメージを与えても、有り得そうもないけれど野党が政権とっても、官僚が今のママの陣形を整えている限り本質はさほどは変わらない。官僚の上層部を地方に回して官僚機構の刷新を同時に行わなければならない。

その間に政権を担えるだけの力量を持つ野党を育てることに有権者が1票を使うことが不可欠になる。

政権を担える野党が育つこと。有権者が現政権である自民党に「ノー」といえること。新規に政権を担う野党が現・官僚機構は破壊しても国家運営ができること。

やはり、正常な手段での改革は無理そうだ。かくなる上は、国家が破綻に瀕してから令和維新が起きるまで待つしかなさそうだ。しかし、令和維新が起きても、彼らが権力を握れば「裸の王様」になるという歴史を繰り返すだけのことだ。

夏目漱石は、戦争も平和も、すべてのことは「継続」といった。「歴史は繰り返す」のではない。何もかにもが「継続」しているだけだ。

Follow me!