生きる
この男の生まれはどこだ
江東区の枝川あたり。家業は兄が継いでおり中学を卒業後19歳で公務員になった
だから、両親は無理をして旧制中学を卒業させた
そうなると、江東区の区役所あたりか
年齢は52~3歳。30年勤務の功労賞をもらっている
勤務状態は、責任の範囲内はこなすがそれ以外のことには手を出さない典型的な小役人タイプ
結婚は見合いで子供は男の子が一人。奥さんは早めに死に、男で一つで育て上げてきた。その息子は結婚し同じ屋根の下で同居しているが、他人以上に冷たい
中肉中背でメガネは書類を見る時だけ
勤めが終わると部下と一緒に縄暖簾をくぐるようなことはしない。タバコも吸わない。
市民課だが係長やほかに身2、3人必要だ
特色のあるのが一人必要だ。言いたいことをズケズケ言って、個々の勤務を嫌になっているような女の子がいると、都合がいい
夜寝る時には背広のズボンを布団の下に敷き、寝押しをする
昼はいつもうどん。うどんをつるつるすすり終わって丼鉢を持ち上げ汁をすする。最後まで飲み干さずに少しだけ残した汁を見つめてから丼鉢を置く
「ゴンドラの歌」を歌うシーンで志村は「この世の物とは思えないような声で歌ってほしい」と黒澤明から要望された。
いのち短し 恋せよ乙女
あかき唇 褪(あ)せぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に
明日(あす)という日の ないものを
いのち短し 恋せよ乙女
黒髪の色 褪(あ)せぬ間に
心のほのお 消えぬ間に
今日はふたたび 来ぬものを
突然、余命を宣告された渡辺勘治の、余命と言われた時間の過ごし方を、自分事として考えてみることは必要なこと。
マーケティングなどで「ペルソナ」と言われるけれど、「生きる」を作るために黒澤明、橋本忍、小國英雄の打ち合わせこそが「ペルソナだ」と合点した。