袁紅氷が見た習近平
「精鋭論壇」の要約です。
袁紅氷は、最近「2025台湾海峡大決戦」という小説を出版した。この小説に書かれている内容は極めて深刻なもので21世紀の人類の運命に直結するものである。現在、中共と台湾に関する諸問題に対してアメリカ、日本、さらにはNATOも関心を持っている。
中共が台湾に武力行使をする場合、非常に大きな失敗のリスクがあることは明らかである。それでも中共が台湾に武力行使をする可能性があると思うか?
様々な分析や研究がなされているが、そのすべてに共通する欠点に、独裁者の心理をよく理解していないことにある。独裁者の心理とは、一般の常識人とはかけ離れていることを見逃している。
独裁者には「絶対的な主観性」というのがあり、主観的な感情を発散することに特徴がある。それと、「合理的ではない判断に傾くことが少なくない」ことを上げることができる。
独裁者の周りには否定的な意見が忌避されるようになることがあり、独裁者の幕僚は、独裁者の独善も持ち上げるだけの役割になっていくことも大きな影響を与えます。直近の日本ではジャニー喜多川事件も同様の構図と言えそうです。
習近平のゼロコロナ政策は致命的な判断であったし、国進民退(優良な民間経済の解体や減退)政策も致命的であったが、習近平にすれば毛沢東型の共産主義社会を完全に復興させることで、そのためには台湾を今のママにはしておけないというのが彼に信念になる。
つまり、情勢がどうであれ、損得がどうであれ、習近平からすれば台湾海峡問題は回避できない。
アメリカのミリー将軍は習近平が台湾に攻め込むのは2027年以降と予測していますが、ミリー将軍は人民解放軍が台湾攻め込むのに軍艦やミサイルや上陸用作戦機軍の量から判断しているが、独裁者の心理や感情を見誤っている。
1980年代に胡耀邦が罷免されたあと、北京大学の若手教員グループが形成され、中共の最高権力層に取り入ることが重要だという認識で胡耀邦の政治的意思を継承させるべきだとして、要人に接近していった。袁紅氷が習近平に接触したのは習近平の父親が良心的な人物だったからである。
胡耀邦に対して、追い打ちを掛けなかったのが習近平の父親であった。そのことから習近平の父親は政治的迫害を受けることとなった。そのため習近平は1959年に追放された。