資生堂という会社
至哉坤元 萬物資生:至れるかな、坤元(こんげん)。万物資(と)りて生ず
「大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか、すべてのものはここから生まれる」
コーポレートスローガンは「一瞬も 一生も 美しく」である。
福原有信を調べると、1848〈嘉永元〉年 - 1924〈大正13〉年。安房国松岡村に生まれ、1865年、18歳で幕府医学所に入って西洋薬学を学び、現代で言う薬剤師として2年後の1867年から同所で雇われる。1868年に幕府が倒れ新政府が1869年に大学東校(東大医学部の前身)が作られると、そこの職員となる。
1872年(明治5年)。福原有信が東京・銀座に「資生堂薬局」創業。
さて、その資生堂で1,500人の希望退職を募るそうだ。条件は「45歳以上かつ勤続20年以上」。ピーターの法則によれば、それぞれの役職について伸びしろがなくなっている世代(主としては中間管理職層)を一掃して、若手の給与水準を上げようということ。
ただし、
「グローバル・ビューティー競争をリードできる『センス』と『スキル』を有している」
「期待を超える成果創出に向けた『学習』と自己成長への『情熱』を有している」
この2条件を満たしていれば、退職しないこともやぶさかではないそうだ。そもそも、この2条件を満たしていれば、もっと上のポストについていてしかるべきはずなので、合致する人は少ないはずだ。
企業は株主のためにあるというのはアメリカ流の資本主義でしかない。企業は株主のためにもあるけれど、従業員を守り、納税して社会に還元する枠割も担っている。
少数精鋭にすれば業績が上がるわけでもない。企業に余力があれば、少しでも多くの人材を雇用するくらいの度量を見せて欲しいとも思う。
同時に、リストラしなければならなくなった最大の原因は経営幹部の判断に原因があるので、リストラをするならばまず、経営幹部から自らリストラの対象としなければ辻褄が合わない。
政府は、政策の失敗を棚に上げて賃金を上げろと言うけれど、資生堂のようなことが横行しだすのも当然の帰結である。
国会議員も「45歳以上かつ議員(地方議員含む)20年以上」は、次の選挙に立候補できなくするような法改正をするべきである。
「国家国民の安寧をリードできる「見識」と「実行力」を有していること」
「期待を超える成果創出に向けた『学習』と自己成長への『情熱』を有している」
ただし、この2条件を満たしていれば、「45歳以上かつ議員(地方議員含む)20年以上」であっても1回限りは立候補することもやぶさかではない というようにすれば、少しは政治に健全性が取り戻せるだろう。
「45歳以上かつ20年以上」霞が関で官僚として奉職した人材も地方で活躍してもらうこととセットにしなければ、官僚主導政治を改めることは出来ない。