毎年当たり年の「ボージョレ・ヌーボー」

毎年、ボージョレ・ヌーボーの時期がくるとお祭りになる。

そして毎年「当たり年」になる。

毎年、当たり年なら、特段、それを「当たり年」と言わずに、おいしくない年だけ「外れ年」にすればよさそうなもの。つまりは、単なる商業的キャッチフレーズでしかない。

フランス食品振興会(SOPEXA)が発表した見解だ。
100年に一度の出来の03年は「並外れて素晴らしい年」。
50年に一度の09年は「数量は少なく、完璧な品質。桁外れに素晴らしい年

信濃毎日新聞デジタル 2022年11月13日

今年は「航空輸送費の高騰で21年に比べ千円以上値上げ。主力商品は3850円(参考価格)」。ロシアのウクライナ侵攻で空輸ルートが制限されて遠回りになり、燃料費が増えたことが影響だとかで、1本4千円弱。1瓶4合だから1合千円。

私なら、1合千円も出すなら日本酒にします。

20代でお酒を飲み始めて生意気盛りの時に「辛口の酒がいい」などといったところ、お店の主人から「人生の甘さ、辛さも分からないくせに」と言われた。年をとってから思うのは、日本酒は適度の甘さがないと味わえない。

20代でお酒を飲み始めて生意気盛りの時に、銘酒屋で吟醸酒を飲んでいました。「やれ、梅錦だ、やれ、上善如水だ」なんてね。昨今、吟醸酒ばやりになっていて、確かに値段は吟醸酒価格のようですが、山田錦を5割とか3割とかに削って作る酒は、どれ吞んでも似たり寄ったり。

お酒は普通のお酒で良くて、それをお銚子とお猪口で飲むのがよくて、飲んだお銚子を寝転がしておいて何本吞んだみたいのはダメで、何本吞んだかは分からない。ロレツが回らないから酩酊している。

こういうのが、日本酒の飲み方で、お猪口で飲むというのが仕掛けになっています。冬はお燗をする。「ヒトハダ」とか「アツカン」などという専門の用語もあるし。

それからすれば吟醸酒というのは「邪道」ですね。お燗もしないようだし、値段も高いし。