最近話題のセキュリティ・クリアランスとは?

高市議員が経済安全保障の大臣になった時に岸田首相から「中国」と言う言葉を発するなと言われたことと「セキュリティ・クリアランス」を法制化するということを口が裂けても言うなと言われたそうです。

その事実や真意は私のような平民が知る由もありませんが、せめて「セキュリティ・クリアランス」とは何のことなのかを調べてみようと思いました。

セキュリティ」といえばITに関する限り「情報管理」にまつわることになります。ISOやJISでは「機密性」「完全性」「可用性」の3要素を維持することなのだそうです。「サイバー・セキュリティ」と言う言葉もよく目にします。これは前期3要素を脅かす方法に対処する方策になると言えるでしょう。

では「セキュリティ・クリアランス」となると、「クリアランス」をどう解釈するかにかかってきます。英辞郎によると11番目に「機密情報取扱許可」と出てきますが、なぜ、そうなるのかは不明です。

高市大臣が関わっているということは「経済安全保障」と不可分だということになります。そこでググって見ると、wikiには「国家機密等の秘密にすべき情報を扱う職員に対して、その適格性を確認すること」と言う程度の記述しかありませんが、行政職員を対象にした「秘密取扱者適格性確認制度」を法制化して資格要件を必要にしようという動きだと思います。

アメリカでは情報のセキュリティに「トップシークレット」「シークレット」「コンフィデンシャル(≒内密)」の3段階が設けられていて、それぞれに厳密な資格審査があり、なおかつ、5年とか10年とかで再審査がされるくらいに厳しいようです。

では、なぜ岸田首相は高市大臣に「セキュリティ・クリアランスの法制化を口が裂けてもいうな」と言明したのでしょうか?

根拠はありませんが、官僚筋から法制化しないように総理大臣に圧力がかかったのでしょう。あるいは、うがった見方かもしれませんが、親中政党とされる公明党から横やりが入ったのかもしれません。

ところで「特定秘密保護法」というのが安倍政権下で強行採決されました。法の趣旨は「漏えいすると国の安全保障に著しい支障を与えるとされる情報を特定秘密に指定し、それを取り扱う人を調査・管理し、それを外部に知らせたり、外部から知ろうとしたりする人などを処罰することによって、特定秘密を守ろうとするもの」だそうです。

これは諸刃の剣で、行政は国民に知られると困るような内容をすべて「特定秘密」にすれば国民に示す必要はなく、行政の職員が内部通報をすれば処罰できるということで抑止もできることになります。

行政にとって情報公開の都合が悪ければ一意的に「特定秘密」と指定することで国民に知らしめる必要が無くなるわけです。それならちゃんとした資格制度を前提に、なにが「トップシークレット」で、なにが「シークレット」で、なにが「コンフィデンシャル」なのかを明確に定義しなければ、安倍政権の伝家の宝刀である「政治の暗黒化」に拍車がかかることになってしまうでしょう。