GDPとGNI(GNP)の違い
普通に「GDP」と言いますが、「Gross Domestic Product」の略称で、「国内総生産」を意味します。
「GNP」は、「Gross National Product」の略称で、「国民総生産」を意味します。
GDPとGNP
1993SNAの導入に伴い、GNPの概念はなくなり、同様の概念として“GNI(Gross National Income)=国民総所得”が新たに導入された。
GDPは国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額。 “国内”のため、日本企業が海外支店等で生産したモノやサービスの付加価値は含まない。
一方GNPは“国民”のため、国内に限らず、日本企業の海外支店等の所得も含んでいる。
以前は日本の景気を測る指標として、主としてGNPが用いられていたが、現在は国内の景気をより正確に反映する指標としてGDPが重視されている。
「1993SNA」の「SNA」は、社会計量経済学における「System of National Accounts」の略称。1968年に国際連合が定めた国民経済計算の国際基準に基づいているのだそうです。
同じ「SNA」には、「Social Network Analysis」というのがあって、「社会ネットワーク分析」と訳されている。何が対象であっても分析すれば結果は必ず出るが、それが何かの役に立つかはケース・バイ・ケース。
「国内(Domestic)」とは、その国内領土に居住する経済主体を対象とし、外国企業の在日子会社は我が国の居住者たる生産者として「国内」に含まれる。逆に、我が国企業の海外支店は含まれない。
一方、「国民(National)」は、当該国の居住者主体を対象とし、「居住者たる個人」とは6か月以上の間、我が国に居住している全ての個人を指す。逆に国外に2年以上居住する個人は非居住者とされる。
国民総所得は、当該国の居住者によって受け取られた所得の総額に、国内総生産に海外からの純受取を加えたもの。
国民総所得は「GNI」といい「Gross National Income」のことだそうですが、だんだん、どうでもよくなるような説明が加えられてきます。ここに実質GNIというのが出てきて、実質国内総所得に海外からの所得の順受け取りの実質値を加算したもののような説明が続きます。
基本は、これだけ円安にして輸出産業を大幅に支援しているのに貿易収支は赤字ということで、「GDP」だろうが「GNP」だろうが「GNI」だろうが、日本の国力は低下していると言えそうです。一方では、海外債権も多く、国内貯蓄も多いから国力が大いにあるとする意見もあります。
確かに金があれば人間社会では大きな顔ができますが、国家で考えれば生産力と消費力がなければ国力があるとは言えそうもありません。ロシアが、思ったよりはパッとしないけれど、とはいえロシアの国力を支えているのは、「資源」と「農産物」になります。
日本が最も欠如しているものですが、これこそが国力の原点であるように思います。
年寄りばっかりでは戦争もできませんし、戦争しても資源(主としては石油と鉄と米)がなければ矢玉が尽きてしまいます。矢玉が尽きれば玉砕か降伏か、玉砕の後の降伏しかないことを歴史が示しています。