荘子を考える:逍遥遊《其の05》
吾有大樹:吾に大樹あり 人謂之樗:人これを樗(ちょ)と謂う。 其大本擁腫而不中繩墨:其の大本は擁腫(ようしょう)して縄墨(じゅうぼく)に中(あ)たらず 其小枝卷曲而不中規矩:その小枝は巻曲(けんきょく)て規矩(きく)に中 […]
荘子を考える:斉物論《其の09》
一受其成形:一たび其の成形を受くれば 不亡以待盡:亡(ほろ)ぼさずして以て尽くるを待たん 與物相刃相靡:物と相い刃(さから)い相い靡(そこな)い 其行盡如馳:其の行き尽くすこと馳するが如(ごと)にくして 而莫之能止:これ […]
荘子を考える:斉物論《其の08》
喜怒哀樂:喜怒哀楽あり 慮嘆變慹:慮嘆変慹(りょたんへんしゅう)あり 姚佚啟態:姚佚啓態(ようたいけいたい)あり 樂出虛:楽は虚より出で 蒸成菌:蒸は菌を成すがごとく 慮嘆変慹(りょたんへんしゅう)慮(おそ)れまた嘆(な […]
荘子を考える:斉物論《其の07》
大知閑閑:大知は閑閑(かんかん)たり 小知閒閒:小知は間間(かんかん)たり 大言炎炎:大言は炎炎(たんたん)(淡淡)たり 小言詹詹:小言は 詹詹(せんせん)たり 「大知」のあるものは、ゆったりとして落ち着いているが、「小 […]
荘子を考える:斉物論《其の10》
故有儒墨之是非:故に儒墨の是非有り 以是其所非 而非其所是:以て其の非とする所を是として其の是とする所を非とす 欲是其所非而非其所是:其の非とする所を是として其の是とする所を非とせんと欲する 則莫若以明:則ち明を以てする […]
荘子を考える:斉物論《其の06》
「斉物論」とは、「物を斉(ひと)しくする」という意味で「彼此(ひし)是非」の差別観を超えて万物斉一の理を明らかにする。 「逍遥遊」で自由無碍の境地を推奨した。次なる「斉物論」により「物を斉(ひと)しくする」という考えを打 […]
荘子を考える:逍遥遊《其の02》
北冥有魚、其名曰鯤:北冥に魚あり、其の名を鯤という 鯤之大、不知其幾千里也:鯤の大きさ、其の幾千里かを知らず 化而為鳥、其名為鵬:化して鳥となるや、其の名を鵬という 鯤という巨大な魚が、鵬という巨大な鳥になって南を目指し […]
荘子を考える:逍遥遊《其の03》
蜩與鷽鳩笑之曰:蜩(ひぐらし)と学鳩とこれを笑いていわく 我決起而飛、槍榆枋而止:我れ決起して飛び、榆枋(ゆぼう)にいたりて止まるも 時則不至而控於地而已矣:時にあるいは至らずして地に落ちるのみ 奚以之九萬里而南為:なお […]
荘子を考える:斉物論《其の11》
物無非彼:物は彼れに非らざるは無く 物無非是:物は是れに非ざるはなし 自彼則不見:彼よりすれば則ち見えざるも 自知則知之:自から知れば則ち之を知る 物は「あれ」でないものはなく、同時に「これ」でないものもない。 人間は自 […]
荘子を考える:逍遥遊《其の01》
荘子の超越とは絶対自由な精神の世界に生きることを目指す。それは我と彼が一つであり、是と否が一つであり、可と不可が一つである世界を真実とすること。それは実在への渾沌であり、実在とは「生きたる渾沌」のこと。生きたる渾沌を愛で […]