クマムシを知ろう

クマムシは、極端な高温や低温、高圧・低圧、空気不足、放射線、脱水、さらには宇宙の真空状態に至るまで、ほとんどの生命体にとって死を招く環境に耐えることができる。

この頑健な生物が放射線を生き延びるメカニズムが解明されたそうだ。

クマムシは信じられないほど極端な環境に耐えることができる。150度の高温、-270度の低温でも数分間生存可能だ。何十年もの間、食べ物や水なしで過ごすことができる。

高レベルの放射線にも強く、ほとんどの生物を死に至らしめる放射線量でも生きることができる。DNA修復遺伝子を増幅させることで、放射線によるDNA損傷を修復している可能性がある。放射線を検出したときに反応して発現量が上昇していることもわかった。

強力な耐性ながら寿命は半年しかない。とはいえ、130年前のコケに水をかけると、ひからびた樽状のクマムシがもとに戻ったという記録もある。

クマムシは「緩歩動物」という門に属する。4対8本の脚でゆっくり歩くから緩歩動物と呼ばれる。

緩歩動物の化石はカンブリア紀(約5億4200万年前から約4億8830万年前)の岩石から見つかっている。

生殖は圧倒的にメスが多い。雌雄同体や単為生殖のクマムシも見つかっている。発生してから脱皮を繰り返し成長するが、体細胞の数は増えない。細胞の大きさが増すことで成長している。

環境が乾燥すると「クリプトビオシス」で仮死状態になり、再び水分を得られると、そこから生命が復活する。

クリプトビオシス(cryptobiosis):クマムシなどの動物が乾燥などの厳しい環境に対して、活動を停止する無代謝状態のこと。水分などが供給されると復活して活動を開始する。乾眠ともいう。

2007年に、ロシアがクマムシを宇宙空間に10日間直接さらすという実験を行った。太陽光を遮り宇宙線と真空にさらしたクマムシは蘇生し、生殖能力も失われないことが確認されたとのこと。

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