原子はなぜ“生命”になったのか

「原子はなぜ“生命”になったのか」という45分くらいの動画あったので3日くらいかけて少しずつまとめてみました。最後まで見て、実はがっかりでした。それらしいつくりにはなっていますが、肝心な「原子が生命になる」過程については、語ってはいませんでした。

ビッグバンの数億年後に水素から「恒星」が生まれる。恒星の内部は高温・高圧にあることで水素が核融合をしてヘリウムになり、ヘリウムが核融合して酸素や炭素などになっていく。

恒星は、核融合の燃料が無くなると超新星爆発が起こり、恒星の内部で作られた各種の元素が空間にばらまかれる。それらが離合集散して太陽が生まれ、太陽系が形づくられる。

生き物になるための条件は「代謝」「外界と隔てる膜」「生物としての設計図=DNA」が必要になる。これらを備えた最小の単位が「細胞」である。

20種のアミノ酸とDNAを構成するヌクレオチドと脂質。この3つがあれば生命になりうる。では、それらの材料は、どこで生まれたのか?

初期の地球の大気を再現し、人工の雷を発生させたところ、異臭を放つ液体が生じた。この液体の中にはアミノ酸が生じていた。

オーストラリアに落ちた隕石(マーチソン隕石)は、異臭を放っており、成分を調べると各種のアミノ酸や資質の分子、ヌクレオチドの素材も見つかった。

初期の地球には、多量の隕石が降り注いでいたので、生命の材料は大量にあったと言えるが、だからと言って、それらの材料から生命を作り出したものは何であったのだろうか。<-ここがポイントになる!

考えられることとして、高温の大気(酸素はまだない)によって海が干潮になると、塩溜まりができる。そこに脂質が発生すると、脂質が集まって膜になる。この膜の中に有機物やヌクレオチドなどを取り込んでいった。

この初期細胞がタンパク質やDNAの初期構造をなしていく。しかし、初期の地球の紫外線は、現在の千倍もあり地上で生命を維持することは難しかった。生命を維持するために必要なのはエネルギーである。

そこで誕生した仮説が、紫外線の届かないところで生命が誕生したのではないかということ。そこで見つかったのが深海でマグマから吹き出す熱水の周りに生息する生物がいること。そこで科学者は、生命がこのような場所で誕生したのではないかと考え始める。

熱水噴水口から生命が誕生したという説が生まれると同時に、宇宙からやってきたとする科学者もいる。それが「パンスペルミア説」。「はやぶさ2」がリュウグウから持ち帰った砂からもアミノ酸が見つかっている。

「パンスペルミア説」は、他の星から生命(バクテリア)が地球に隕石と共にやってきたとして、その生命はどうやって誕生したのかの答えにはなっていない。

生き物の最大の特徴は、アミノ酸やタンパク質のような物質ではなく、「情報」であり、「変化」ができることに尽きる。生物の多様性は、「DNA」によって作られている。

そして、このDNAがあるがために、損傷したり偶然の組合せができたりすることで多くの場合は、生命を維持できなくなるが、わずかながら進化につながる変化になることもある。

およそ24億年前、単細胞生物は複雑な生物へと進化がはじまった。その変化が起きた直接の原因となるのが「光合成(シアノバクテリア)」であった。光合成はDNAの複製ミスで生まれたとされている。シアノバクテリアが大量に繁殖し、光合成の不産物として酸素を放出した。

シアノバクテリアが誕生したことを、もっと踏み込んで解説するべきだ!

酸素によって地球上の生物のほとんどが死に絶えるが、一部の生物は酸素に適応することで急速に進化しだした。酸素をエネルギーとすることができた。

酸素の力を得た単細胞は、合体することで共同体として協力し合うことができるようになる。そのうち、役割を分担するようになり機能するようになっていく。ところが、酸素が増えすぎだすことで温室効果ガスが減少し、地球は急速に寒冷化していく。

このことで大方の生物は死滅してしまったが、火山の噴火などで温室効果ガスが増えることで生き延びた生物が、進化しだす。そして20万年前に現生人類が出現する。では、酸素があれば、このように複雑な過程を経て人類へと進化することはあり得るのか?

現生人類の登場は「1から2を生むようなもの」。「0から1が生まれた背景を推理して欲しい!」

と、言うような話であったけれど、「原子はなぜ“生命”になったのか」の回答には程遠い内容であった。脂質とヌクレチオドとアミノ酸と酸素と適正な温度があれば細胞が誕生するわけではないし、細胞が誕生すれば、歳月の中で進化して多細胞動物になるわけでもないだろうし、多細胞動物になれば知能を持つ人類に進化するわけでもないだろうし、結局は末梢的なことをかき集めて類推しているだけで、ちょっと期待外れであった。

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