中国で起きた少年犯罪

中国で3人の少年が、それぞれ分担をして学友を殺害し、死体を遺棄(穴を掘って埋めた)した事件が発生した。1万円程度を奪おうとして殺害をしている。この事件は中国社会で大きな反響を呼んだそうだ。

背景に何があるのか? 家庭での教育? いじめ? 社会全体の影響はないのか?

中国では「仇恨(きゆうこん)」を子供(小学生)に教えている。対象は「アメリカ」や「民主主義」などであるけれど(日本も対象になっている)子供に強い怨念を浸透させている。

このような教育を受けた子供は、「仇恨」を埋め込まれ、強く恨むことを感情にしみこませられることから、衝動ではなく、冷静冷酷な行動を行き過ぎているとも思わずに実行することにもつながる。

現在、中国では治安に関する事件が増えている。自動車を使って意図的に歩道に乗り上げ、歩行者を多数跳ねるような事件が発生している。日本ではおおかた高齢者の操作ミスであるが、中国では若者が故意に犯罪として行っている。原因は、社会に対する不満だそうである。

一生懸命勉強したのに就職できない怒りから社会に報復したのだそうである。

少年の犯罪は、親や学校だけではなく政治とも関係がある。少年犯罪の増加は、深刻な社会問題だと言える。経済や制度の問題が生じると、実生活の悲観的状況とメディアが伝える楽観的状況の乖離に気づくと、そこに「幻滅」が生じる。この幻滅が若者に与える影響は、代償となってのしかかってくる。

アメリカの学校で、少年が喧嘩をした。そのとき「殺してやる」と叫んだことが重大な問題となった。学校では大問題になった。親も捜査の対象となった。子供に暴力的な傾向がある場合、通常は深刻な問題として捉える。

日本では、かつて綾瀬で女子高生を拉致監禁し殺害の上、コンクリート詰めにした事件が合起きたが、親の責任は問われなかった。

中国でも、いじめに対して対処していない。それどころか隠蔽しようとする。これは日本とよく似ている。不都合を隠蔽しようとして、さらに悪質度を増殖させるところは、律令制の時代からの高位高官の伝統(保身)なのかもしれない。

中国社会は多くの問題があって、家庭環境が不健全になっている。日本社会も、政治や官僚の無能化が進んでいるが、まだ、国民の我慢と忍耐で持ちこたえているが時間の問題かもしれない。

アメリカでは1930年代に世界恐慌が発生し、多くの社会問題が発生した。マフィアは、この時期に大きく成長することができた。バットマンはこの時期に作られている。

アメリカは第二次世界大戦に突入することで工業生産が飛躍的に伸びたことと、ニューディール政策によって社会不安は解消されていった。ニューディール政策は「救済」「復興」「革新」から構成されており、福祉政策や社会保障政策はこの政策によって確立されている。

先進国は、いずれも同様の過程を経ている。経済は常に順風満帆ではないため下降局面を乗り切るための政策がしっかりしているかが先進国の条件になる。中国は、この下降局面を先進国並みには抜け出せないと思われる。

世界恐慌の時にルーズベルトは、最下層の所得を増やすために国の負担で失業者を雇用した。公共投資もしたし、最低賃金も設定した。中国はこのような政策の反対になるようなことを行っている。その結果、社会内の対立や矛盾は深刻になっていくと予想される。

どの王朝も末期には財政が破綻し政権が崩壊している。中国は財政支出が困難になり、国民生活を締め付ける政策を打ってくることが予想されている。国家が苦しくなると、苦しむのは最下層の階級になるのが世の常。

中共は富裕層(共産党員は別)から収奪することに手を染めだしている。

歴史を見ると、軍国主義は国家統治失敗の既定路線である。かつて、ドイツと日本は、この道を選んで滅亡した。

若者や少年が犯罪に走る状況は、中国社会が臨界点に近づいている兆候と言えそうだ。ろなると、次ぎに起きることは、やはり「イクサ」しかない。

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