漢文の素養はありますか?
江戸時代までの学者は純正漢文の読み書きは前提であった。 日本では科挙が定着せず、公家、寺家、武家はすべて世襲となっていく。しかし、それぞれの権門において実力を持ったのは実務を担った中流実務階級であり、その層の厚さが日本の […]
「少年時代」から連想したこと
iTunesでランダムに音楽をかけています。たまたま井上陽水の「少年時代」がかかりました。映画の「少年時代」は藤子不二雄の原作で藤子不二雄が戦時中に疎開した富山をモデルにしているとのことですが、後味は決して良くなく、しか […]
運命の分かれ道《オー・ヘンリーの場合》
イヴォンヌとケンカしたダヴィドは村を出てパリを目指した。 左の道 15キロほど歩くとT字路となりダヴィドは迷った後、左へ行くことにした。 30分ほど歩くとぬかるみにはまって難儀している馬車が見えたので手伝ってやったら紳士 […]
芥川龍之介の「トロッコ」から連想したこと
芥川龍之介の「トロッコ」では、「小田原熱海間間に軽便鉄道敷設の工事が始まったのは良平8つの年だった」という書きだし方始まります。 1896(明治29)年には、人車鉄道という人間が押す鉄道があったそうです。乗客は「上等」「 […]
順天堂と明治早々の医療
司馬遼太郎の歴史小説に『胡蝶の夢』というのがある。黒船来航によって幕末の日本が大きく動き出す中、蘭学を学び、幕府の奥医師となった松本良順と、彼の弟子である島倉伊之助(司馬凌海)の生き様を描いた作品であるけれど、これがなぜ […]
「看板」と勝手な記憶
2023年9月3日の夕焼け。浅草寺が真っ赤に燃えていました。 で、池波正太郎の「看板」を、おそらく20年ぶりくらいで再読しました。この「看板」は大好きで人にも勧めてきましたが、再度読んでみると、ずいぶん記憶と違っていたの […]
谷崎潤一郎が書く「藤原国経」とは
藤原国常という人のことは、「大鏡」には陽成天皇のところで基経と国経らが、在原業平が連れ出した藤原高子を取り戻しに行くところに登場します(高子はのちに清和天皇の妃となり陽成天皇の母となります)。 そのほかとしては「今昔物語 […]